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研究

論文を書き続けるために役に立った習慣・考え方

2024年7月7日

こんにちは、Keiです。

まとまった時間の確保が難しい研究者や院生が論文を書き上げようと思ったら、毎日少しずつ執筆を進めていくことが大切です。

先日の記事では、忙しい日々の中でもタスクシュートを使いながら、毎日少しずつ論文を執筆していく方法を紹介しました。

タスクシュート論文執筆術

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上記の記事では、タスクシュートを活用して論文執筆に早めに着手することを推奨しましたが、論文執筆を続けていくために役に立った習慣や考え方は他にもあります。

そこで本記事では、論文執筆を日々続けていくために役立った習慣や考え方を紹介するとともに、私には合わなかった手法も紹介します。

論文執筆の継続に役立った習慣・考え方

私が実践し、論文執筆の継続に役立ったと感じた習慣や考え方を2つ紹介します。

① 1日の早めに論文執筆に着手する

1つ目の習慣は「1日の早めに論文執筆に着手する」です。

これが以前の記事「タスクシュート論文執筆術」で解説した方法です。

詳細な説明は過去の記事に譲りますが、毎日論文を書き続けるには、1日の早い時間帯に論文執筆に優先的に着手するのが一番有効でした。

上記の記事ではタスクシュートの使用を前提に解説しています。
早めに着手するだけならタスクシュート無しでも実践可能ですが、タスクシュートを使うことで習慣の挫折を回避でき、毎日の論文執筆を継続しやすくなるためです。

論文に着手する頻度が1週間に1回、2週間に1回といった状況になっている方には是非お試しいただきたいです。

② 着手できたかどうかを重視する

続いて役に立った考え方は「着手できたかどうかを重視する」です。

論文を書いていると、調子良く一気に執筆が進む日もあれば、数時間かけて1行しか執筆が進まないという日もあると思います。
執筆時間がわずかしか取れない日もあるでしょう。

論文執筆の進捗というのは、著者の能力に関係なく、執筆内容やその日の状況に強く影響されるものです。

しかし、論文の進捗を量的に重視してしまうと、どうしても執筆が進まなかった日が気になってしまい、淡々と執筆を継続することができなくなります。

こうなると、「集中力が足りない」「次の日に取り返そう」「執筆時間を増やそう」と様々な考えが浮かび、小手先のテクニックに頼りたくなりますが、大抵の場合、それは負けフラグです。
そのまま執筆習慣が崩れていく可能性が高いです。

習慣として論文執筆を続けていくには、仮に進捗があまり得られない日があったとしても、気にせずに執筆習慣を継続するというスキルが必要です。

そして、進捗を気にしないために、「着手できたかどうかを重視する」ことが重要なのです。

論文執筆に1分でも着手できれば、進捗ゼロということはありません。例え文字が書けなくても、他の作業や思考といった側面でゴールに向かって進んでいるはずです。

そのため、どれだけ進んだかではなく、「1分でも着手できた=進んだ=OK!!」と考えましょう。(タスクシュート的に言うと「1分着手」です)

この1分着手の効果は侮れません。始めるまでは全くやる気が出なかったのに、いざ始めてみたら何時間も作業が続いたという経験は誰しもがしたことがあるでしょう。
1分で良いから着手することを繰り返していれば、論文執筆は着実に、しかも大きく進んでいくのです。

また、習慣の継続にはメンタルが大きく影響します。「また論文を書けなかった…」と考えていると、執筆習慣が挫折しやすくなり、どんどん論文執筆から遠ざかるようになります。

1分でも着手することを繰り返し、「昨日も書けた!今日も書けた!」と思っていた方が、確実に執筆習慣が続き、結果的に執筆量も増えます。

何なら、着手できなかったとしても気にする必要すらありません。翌日に着手できればそれで良いと考えて、淡々と執筆習慣を続けましょう。(タスクシュート的に言うと「ネクストッ!!」です)

精神論のようですが、こうしたマインドは実際の進捗に大きく影響するものです。

執筆習慣を継続して論文を進めたいからこそ、「1分でも着手できればOK!!」と考えて、細かい進捗は気にせずに執筆を継続していきましょう。

③ 運動の習慣を作る

3つ目に紹介する、論文執筆に役立った習慣は「運動習慣」です。

運動習慣と論文執筆は一見すると全く結びつきませんが、これが論文誌筆の継続には不思議と効果的でした。

論文執筆が進まなくなっていた頃、私はかなりの運動不足だったのですが、その頃は睡眠リズムが全く安定しておらず、睡眠の質が落ちていたように思います。
睡眠不足によって相当に作業効率が落ちていたのでしょう。

それが運動習慣によって日中の活動量が増えたことで、睡眠リズムが整い、生活リズムないし執筆習慣のリズムも安定するようになったのだと考えています。
論文の執筆習慣も一つの生活習慣と考えれば、運動で生活リズムを整えるのが有効だったのも理解できます。

最初は運動する余裕がある生活をおくれているから論文を書く余裕もあっただけの可能性もあったと思いますが、運動習慣が根付くにつれて、確実に論文執筆も続くようになっていったので、やはり良い効果があったのでしょう。

なお、運動の種類は何でも良いと思いますが、私は軽い筋トレが最も有効でした。

現時点で運動習慣が無い方が、いきなりハードな運動を開始したり、ランニングを始めたりするのは挫折のリスクが高いです。
しかし自宅でのちょっとした筋トレなら、キツすぎず、着替えや移動なども必要ないので継続しやすいです。

忙しい方が筋トレを始める場合は、1日20分程度の自重トレーニングのメニューにすると良いでしょう。程よい負荷で継続しやすいメニューが多いです。
最近は筋トレメニューに関する動画やアプリも多数出ていますので、短時間の筋トレメニューも簡単に探すことができます。

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筋トレを始めて体力が付けば、他の運動習慣を開始・再開することもできるようになります。
運動習慣の最初のきっかけとして、そして論文執筆を続けるための習慣構築と体力増進の下地として、筋トレはオススメです。

合わなかった習慣・考え方

ここからは、私の失敗談から、論文執筆に合わなかった習慣・考え方を紹介します。

① 1日に書く量を決める

合わなかった考えの1つ目は「1日に書く量を決める」です。

1日に書く量を決めるとは、1日300文字書くとか、1日5行書くといった数値目標を立てるということです。

これが全くうまくいきませんでした。

「1日に書く量を決める」というのは、役に立った習慣②「着手できたかどうかを重視する」に対し、完全に逆のことをしています。

論文執筆量はその日の忙しさや書いている内容、体調などに大きく影響されますので、自分の能力に関係なく、目標を達成できない日が必ず訪れます。

もし目標を達成できなくても、それを気にせずに習慣を継続できるのであれば問題はありません。

しかし多くの方は、目標を達成できない日があると、翌日の執筆量を増やして取り返そうとしたり、できない自分を責めたりします。
そうして自分で目標達成のハードルを上げてしまい、失敗を繰り返し、論文執筆の習慣を挫折してしまうのです。

もし毎日の目標を立てたいのなら、1分だけでも着手することを目標にしましょう。
習慣を継続するための鉄則は「ハードルを下げる」「成功経験を積む」です。どんな時でも1日1分着手できれば目標達成としておくだけで、習慣は続きやすくなります。

毎日着手できていれば執筆量は後からついてきます。1日に書く量を決めて頑張るよりも、毎日着手するだけを目標とした方が、長期的には論文誌筆量は大きくなるように思います。

② 1日に書く時間帯を決める

合わなかった考えの2つ目は「1日に書く時間帯を決める」です。

以前私は、「1日のうち9時から10時までは論文執筆の時間!」と決め、その時間帯は論文執筆に当てると決意したことが何度もありました。

しかし、その"自分との約束"を一週間守れたことはなかったように思います。3日間以上守れたことがあったかも怪しいです。

私が絶対的な権力者であれば、周囲の人間や環境を完全に制御し、9時から10時の1時間を論文執筆のために死守することもできたでしょう。
しかし、実際には予定が入ったり、仕事を振られたり、話しかけられたりするわけです。それは悪いことではなく当然なことです。

それにもかかわらず、9時から10時は論文を書くという自分との約束を守れずにいると、不思議と気持ちが落ち込み、執筆から遠ざかってしまうのです。

仕事が忙しく論文がなかなか書けないと悩む方にとって、執筆の時間帯を固定しようとするのは悪手だと断言できます。
それができる生活をしているなら、忙しくて論文が書けないと悩むことも無いでしょう。

例外があるとすれば、早朝の時間帯に論文執筆の時間を設けることでしょうか。
他の人が寝ている時間帯であれば、論文執筆の時間に割り込まれる可能性を大きく減らすことができます。

とはいえ、早朝でも睡眠状況や体調によって影響は受けますし、何らかの理由で時間枠に論文を書けなかった場合、その日はもう論文執筆に着手する気がなくなったりするリスクは残ります。

一番の理想は、時間枠に囚われず、1日のいつでも自由に論文執筆に着手できることです。

③ 事前に詳細なアウトラインを作る

最後は習慣や考え方というよりは手法ですが、「事前に詳細なアウトラインを作る」というのは私はうまくいきませんでした。

あくまで合わないのは"詳細な"アウトラインの作成ですので、私も最低限のアウトラインは頭の中に入れて書きます。
最低限のアウトラインとは、いわゆるIMRAD形式やお約束となる論文の流れなどです。

しかし、詳細な項を事前に立てることはしません。おもむろに最初から書き始め、詳細な項は書きながら立てていきます。

実はこのブログの記事も同じ書き方をしています。頭の中に導入・本文・まとめといった大枠だけ置いておき、後は最初からガリガリ書いていきながら、必要になったときに項(見出し)を立てていきます。

どうしてこの執筆スタイルが合うのかは、正直に言うとわかりません。事前準備が面倒で、早く書きたいという気持ちが強いのかもしれません。
アウトラインに合わせて書かなければという意識から、どこか窮屈に感じるという理由もあったかもしれません。(窮屈に感じるのは私の執筆能力の問題かもしれませんが…)

何にせよ私にとっては、事前に詳細なアウトラインを立てることはやや面倒なことであり、執筆に着手できなくなる原因であった可能性がありました。
最低限の型は守りつつも自由に頭からガリガリ書いていくのが、私には一番合っている執筆方法であり、習慣を継続しやすい手法でした。

なお、私は論文を頭から書いていくとお伝えしました。実際に私はIntroductionから書き始めることが多いのですが、Methodから書く方なども多いのではないでしょうか。
今回の話は詳細なアウトラインを事前に作成しないというだけですので、頭から書いていくためにIntroductionから書き始めないといけないということはありません。

論文執筆の習慣を続けよう

本記事では、論文執筆の習慣を続けるために役立った手法や考え方と、私には合わなかった方法を紹介しました。

今回取り上げた手法や考え方の大半は、毎日確実に論文執筆に着手することを目的としたものです。
まとめると、「論文執筆に着手する習慣を毎日続けよう」ということなのですが、忙しい方にとってはそれが意外と難しいものなのです。

自分に合った習慣を構築するには時間がかかりますが、本記事によってその時間を短くできたら嬉しいです。

なお、本記事で紹介した手法や考えは論文執筆以外にも応用可能です。何かしらの習慣化にチャレンジする際にはぜひお試しください。

本記事は以上です。ありがとうございました。

著:ポール・ウエイド, 翻訳:山田 雅久
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  • この記事を書いた人

Kei

タスク管理やライフハックが好きな研究者|医学博士|株式会社CxO|タスクシュート認定トレーナー|主な発信内容はタスクシュートと研究です。

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