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研究

学会発表の準備にかかる時間は?

2023年8月30日

こんにちは、Keiです。

研究活動を行うにあたって、論文投稿とならんで大切なのが学会発表です。

論文を書くよりは簡単とされやすい学会発表ですが、意外と準備には時間がかかるものです。

私は普段からタスクシュートというタスク管理・時間管理ツールを使っており、毎日の行動ログを1分単位で記録しています。

この記録を使って、英語論文を1本執筆するのにかかる時間がどれくらいか調査を行う記事を先日書きました。

英語論文1本書くのにかかる時間は?

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今回は、過去の行動ログをもとに、学会発表の準備にかかる時間がどれくらいか調査してみます。

調査の方法

私が博士課程の大学院生時代に行なった学会発表のログをもとに調査を行いました。

今回は国内学会で日本語で口頭発表を行なったときの記録を対象に、抄録(要旨)の作成時間発表スライドの作成時間を算出しました。

No抄録(要旨)の文字数スライドの枚数
159923
260021
359319
459420
日本語での口頭発表4回分を調査対象としました

作業時間の記録を追跡できなかった発表は除外しています。

準備時間の算出方法

各抄録(要旨)の作成時間と発表スライドの作成時間を算出し、その平均値をそれぞれの準備に必要な時間としました。

作業時間はタスクシュートのログをもとに1分単位で算出しました。

タスクシュートには上記画像のようにタスクの実行時間がログ(実績)として記録されています

今回は抄録(要旨)の作成時間と発表スライドの作成時間を調査対象としているため、明らかに別の作業をしている時間は除外して計算しました。

集計結果

抄録(要旨)の作成時間と発表スライドの作成時間は以下のとおりでした。

No抄録(要旨)作成時間発表スライド作成時間合計スライド1枚あたり
15.215.720.90.9
21.78.710.40.5
30.910.611.50.6
41.612.213.80.7
平均 (±標準偏差)2.4 ± 1.911.8 ± 3.014.2 ± 4.70.7 ± 0.2
単位は時間 (hour) です

よって、抄録(要旨)の作成時間は平均2.4時間発表スライドの作成時間は平均11.8時間 (スライド1枚あたり0.7時間)、合計平均14.2時間でした。

考察: 抄録作成の時間が短い

抄録(要旨)の作成時間は平均2.4時間発表スライドの作成時間は平均11.8時間合計平均14.2時間という結果でした。

1番目を除いた抄録(要旨)の作成時間がかなり短くなっていました (平均1.4時間)

今回調査対象となった発表のうち、1つ目以外は演題登録の時点で既に論文化に着手し始めていたテーマであり、考察などがある程度まとまっていた状態で抄録を作成していたと記憶しています。そのため、抄録の作成時間がかなり短くなった可能性がありました。

初めて抄録を作成する方や、結果や考察がまとまる前のテーマで学会発表をしようとする方は、今回算出した平均値の2倍、5時間程度は最低でもかかると想定しておいた方が無難かもしれません。

一方、発表スライドの作成時間は概ね妥当かと思います (本当はもっと短くしたいですが)。

ただし、今回のスライドページ数には短時間で作成できるタイトルページなども含めています。

そのため、発表のメインとなるページの作成にはスライド1枚あたり50分から1時間程度かかっていたかと思います。

学会発表に慣れてくると発表スライドの作成にはあまり苦労を感じなくなってくるのですが、それでも意外としっかり時間をかけていたのだな、という印象でした。

なお、この調査にはいくつか限界があります。今回は私が手動で記録したタスクシュートのログを元に作業時間を算出したため、測定漏れなどによって本来かかった時間とは異なっていた可能性があります。

また、この記録は既に学会発表を何度か経験した者1名の記録であり、準備に必要な時間は過去の経験や研究分野によって大きく異なるため、一般化は不可能です。

結論: 学会発表の準備にかかる時間は1回あたり平均14.2時間

以上より、学会発表の準備(抄録作成+発表スライド作成)にかかる時間は1回あたり平均14.2時間と算出されました。

今回は抄録(要旨)の作成にかかった時間がかなり短かったので、平均的にはもう少しかかるのかなと思います。

なお、実際に学会発表を行う際には、抄録と発表スライドの作成以外にも、学会への申し込みや発表準備などの時間が必要です。

特に発表準備は大切です。良い発表にするためにも、できるだけ早めにスライド作成まで終わらせて、他の方に発表練習を見てもらうなどの準備を重ねることをオススメします。

本記事は以上です。ありがとうございました。

  • この記事を書いた人

Kei

タスク管理やライフハックが好きな研究者|医学博士|タスクシュート時間術やタスク管理術について発信していきます|一般社団法人タスクシュート協会 タスクシュート認定トレーナー

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