こんにちは、Keiです。
本記事は「タスクシュート失敗事例集〜初心者編〜」の続きです。
引き続き、タスクシュートの挫折につながりやすい失敗事例と対策を紹介していきます。
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タスクシュート失敗事例集〜初心者編〜
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前回はタスクシュートを使い始めてすぐの頃に多い失敗事例を紹介しました。
本記事では、「タスクシュート失敗事例集②〜初級編〜」として、タスクシュートの使用開始後1ヶ月頃に起こりやすい失敗事例を紹介します。
タスクシュート開始後1ヶ月程度で起こりやすい失敗
タスクシュートを使い始めて1ヶ月程度経つと、基本的な使い方がわかってきます。
登録タスク数も増えてきて、ログも溜まってくる頃でしょう。
このような状況で起こりやすい失敗事例を紹介しましょう。
失敗事例1: 詳細なレビューによって行動を最適化しようとする
1つ目の失敗事例は「詳細なレビューによって行動を最適化しようとする」です。
1ヶ月も経つと、「詳細なレビューを行い、さらに行動を最適化したい!」「溜まってきたデータを解析して、行動をもっと改善したい!」といった欲求が出てきます。
こうした欲求が出てくるのは自然なことです。ここまで順調にタスクシュートを継続してきた証でもあるでしょう。
しかし、こうしたレビューや分析を徹底的にやろうとすると、高確率で挫折します。
「詳細なレビュー」は改善不要な"ほころび"を可視化しすぎる
実際にログを振り返りながら詳細にレビューをしてみると、完璧な過ごし方ができた日なんてほとんど無いことがわかります。
言い換えれば、詳細なレビューをしてみると、一見改善できそうなポイントや"ほころび"が必ず見つかります。
特に、各タスクの実行時間の平均値を算出してみたり、一週間ごとの平均値を比較するような「定量的なレビュー」を行うと、改善できそうなポイントが大量に見つかるでしょう。
ですが、詳細なレビューによって発見される「改善できそうなポイント」というのは、実際には改善しても生活が劇的に改善するようなものではない、小さなほころびであることがほとんどです。
また、こうした「小さなほころび」というのは、実は既に限界まで効率化されていて、それでもなお残っているほころびであったり、自分には原因がなく、他者や環境によってもたらされるものである可能性が高いのです。
つまり、詳細なレビューをしないと見つけられないような「"ほころび"=改善できそうなポイント」というのは、ほぼ改善不可能と言えます。
こうした詳細なレビューや分析をしようとする方は「ストイックな自分になりたい」と願う方が多いので、徹底的に自分を律し、追い詰めることで改善を果たそうとしますが、これはストイックさとは全く違います。
ストイックな人は自分を信じています。信じているから頑張り続けることができるのです。しかし、レビューによって「自分の粗捜し」をしようとする方は、自分を信じられていません。
この状態でレビューによって「(改善不可能な) 改善ポイント」を可視化し、改善できていない自分を責めても余計に動けなくなるだけです。
タスクシュートだって辛くて続けられなくなります。
稀にタスクシュートを始めた後の方が状況が悪くなってしまう方がいるのですが、そういった方の多くは、このように自罰的な思考で自分を改善しようとする方が多いのです。
対策1: 詳細なレビューをしない
「詳細なレビュー」による失敗を回避する方法は2つあります。
1つ目の対策はそのまま、「詳細なレビューをしない」になります。
「詳細なレビューによる行動の最適化」というものは、残念ながらほとんどの人が実現できません。
さらに、詳細なレビューは実施にかなりの時間がかかりますので、定期的に行うには負担が大きく、挫折しやすくなります。
詳細なレビューによって自分を改善しようとするから失敗するのならば、最初からそんな改善方法を取らなければ良いのです。
では、現状の改善・最適化は不可能なのかというと、そんなことはありません。
記録を見返して詳細に分析しなくても、タスクシュートを毎日継続するだけで行動は改善していくのです。
例えば、毎日ルーチンタスクを実行していく中で「もっとこうした方が良いかな?」「ルーチンの順番を変えた方が良いかな?」といった気付きはあったはずです。
こうした気付きはレビューそのものです。頭の中にある記録をもとに瞬時にレビュー(瞬時レビュー)を行っているのです。
詳細なレビューをしなくても気付けるような"明らかな改善ポイント"は、毎日タスクシュートを実践していれば瞬時レビューによって改善されていきます。
この瞬時レビューの改善効果は非常に大きいです。わざわざ長い時間を確保して詳細なレビューを行わなくても、十分な行動改善効果を実感できるはずです。
ぜひとも「詳細なレビューではなく瞬時レビューによって行動を改善していくのだ」という思いでタスクシュートを継続してみてください。
詳細なレビューをしなくても大丈夫ということは、以下の記事にも詳しく書いておりますのでご覧ください。
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【タスクシュート】そのレビューの目的はなんですか?
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対策2: 簡易的なレビューを行う
もう一つの対策は「簡易的なレビューを行う」です。
こちらは能動的にレビューを行いたい方向けの対策になります。
時間をかけて詳細にレビューするからドツボにハマるのなら、時間をかけずに簡易的なレビューを行えば良いのです。
時間を制限してザッと過去の記録を眺め、気付きを記録する、こんな方法でも十分に効果は得られます。いわゆる"タイパ"は非常に良いです。
実際に私は、「1分程度で前日のタスクリストを眺め、大事なタスクや気付きがあれば書き写す」という方法で日次レビューを行っています。
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前日のタスクリストを眺めるだけというレビュー方法
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このレビュー法は時間をかけないので、詳細すぎる分析や定量的な解析を行う時間はありませんが、かえってそれが失敗を防止してくれます。
この日時レビューと瞬時レビューの合わせ技によって、私はレビュー効果をうまく享受できるようになりました。
レビューの方法に迷っている方はぜひお試しください。
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前日のタスクリストを眺めるだけというレビュー方法
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失敗事例2: 正確な記録を残そうとしすぎる
2つ目の失敗事例は「正確な記録を残そうとしすぎる」です。
1ヶ月もタスクシュートを使い続けていると、1日に記録するタスク数や登録済みのルーチンタスクが増えてくるでしょう。
すると必ず、タスクシュートの記録ができなかったり、記録を忘れてしまう日・時間帯が出てくると思います。
特に平日の午後や休日になると記録が取れなくなることが増えます。これはかなり気になります。
こういったときに、「あとで活用するために正確な記録を残そう」といった意識が強すぎると、記録ができないことでやる気が削がれ、挫折してしまうことがあります。
また、より正確に記録を残すために、タスクの粒度を細かくしたくなることもあるでしょう。
これも悪いことではないのですが、記録は細かいほど良いということは特にありません。
一連の行動の中の一挙手一投足を細かく記録するのも別に構わないのですが、負担が大きすぎて挫折につながることがあります。
対策1: 「あとから入力」または「空白」を許容する
対策の1つ目は「『あとから入力』または『空白』を許容する」です。
タスクシュートへの記録ができない日や時間帯、忘れてしまうときがあるのは仕方がないことです。
リアルタイムに入力ができなかったのなら、あとから入力すれば良いのです。それで問題はありません。
確かにリアルタイムで記録を取ることによるメリットはあります。
前述の「瞬時レビュー」はリアルタイムに記録を取るからこそ得られる効果です。
ですが、だからといって「あとから入力」は無駄ではありません。行動中のことを思い返しながら入力するだけでも、意外な気付きがあるものです。
リアルタイムに記録ができるときは記録し、それが難しいときは後から入力する、そんな対応でも記録しないよりはずっと良いでしょう。
また、記録を忘れてしまうこともあると思います。それこそ丸一日記録を取らない日も発生するでしょう。
どうしても記録が取れなかった日は、記録を「空白」のままにしてしまうのも一つの選択肢です。また翌日から頑張れば良いのです。
むしろ最悪なのは、「今週末にまとめて入力しよう」といった対応です。
数日経ってしまうと行動に関する記憶は相当薄れます。そのうろ覚えの記憶を無理に残さなくても大丈夫です。
何より、「今週末にまとめて入力」という対応は、面倒臭さを強く増強します。記録を忘れるたびに「まとめて入力」という作業が発生するようでは、すぐに挫折してしまうでしょう。
「あとから入力」は、可能な限りその日のうち、遅くても翌日の朝までに行うことをオススメします。
それ以降になってしまうのであれば、その空白はそのままで大丈夫です。大きな悪影響はないでしょう。
対策2: 別の記録媒体を使ってみる
記録が残せない時間帯や曜日が決まっているのなら、「別の記録媒体を使用する」という対策が有効な場合があります。
例えば、スマートフォンの操作がしにくい時間帯であれば、手帳に行動ログを記録してみると、意外と面倒もなく継続できたりします。
電子媒体のタスクシュートを中心に使っている場合は、手帳から電子媒体に転記する手間は発生してしまいますが、記憶に頼ってあとから入力するよりも、手帳に記録しておいた方が瞬時レビューなどの効果は得られます。
また、手帳から電子媒体に転記する行為はレビューとしての効果も持つので、この転記タスクを日々のレビュータスクにしても良いかもしれません。
最近は手帳版タスクシュート用のテンプレートも作成されています。プレーンなメモよりもずっと記録を残しやすいので、ぜひ使ってみてください。
また、休日に記録が残せなくなるという方にも、手帳など他の媒体による記録は有効です。
休日になると記録ができなくなる理由の一つに、「普段とタスクシュートの記録方法が異なる」というものがあります。
例えば、普段デスクワークをしていて、平日はPC版タスクシュートを開いて記録をしているという方が、休日になると急に記録が取れなくなったりします。
これは、休日になるとデスクに座っている時間が無くなり「PC版タスクシュートを開いて記録する」という行為が取れなくなることが原因です。
スマートフォンで記録が取れるとわかっていても、慣れていないと意外と億劫だったりするのです。
こんなとき、平日に近い記録環境を確保すると解決することがあります。私の場合では、自宅ではノートパソコンにTaskChute Cloudを開きっぱなしにしておくようにしたら、家での記録忘れが大きく減りました。
とはいえ、必ずしも平日に近い環境を維持できる訳ではありません。休日の外出中にパソコンは使いにくいでしょう。
こういった場合に、何故か手帳を試してみると記録が取れるようになる方がいます。
使用中のツールの使い方を工夫しても上手くいかない場合、別の媒体を試してみてください。意外と解決するかもしれません。
なお、より軽量かつ簡単にタスクシュートの記録ができるスマホアプリ「TaskChute Cloud Lite」が現在開発中です。本リリース後はこちらも良い代替ツールになりそうです。
TaskChute Cloud Liteについては以下の記事が詳しいです。
対策3: 「粒度の粗い記録」を許容する時間帯を作る
対策1と似ていますが、細かな記録を残すのが難しいのであれば「粒度の粗い記録」を許容する時間帯を作っても良いでしょう。
毎日の仕事が決まったルーチンで構成されているのなら、行動の一挙手一投足を記録することは可能でしょう。
しかし、それが難しい時間帯は必ずあるはずです。
私の場合であれば、休日、特に外出中に記録を残すのが難しいと感じていました。特に一人ではなく誰かと出かけるときはほぼ記録を残せていませんでした。
そして記録を残せていないことに軽い罪悪感のようなものを感じ、タスクシュートを面倒に感じたりしていました。
そこで、休日の外出中は記録を荒くする、というマイルールを設けました。外出中は「外出」という1つのタスクだけで記録を済ませたりしたのです。
たったこれだけでも、帰宅後の記録再開がとてもしやすくなり、記録が途絶えたり、面倒だと思ったりすることは無くなりました。
今でも、休日や外出中の記録はやや粗めにしていますが、それで不都合は特にありません。
もし記録が難しい時間帯がある場合はこの対策を試してみてください。
一部の記録を粗くすることで、他の時間帯の記録を忘れること無く取り続けることが可能になることは多いです。
なお、外出中でも移動時間などは残しておくと便利なので、目的地にたどり着くまでの時間だけは記録するといった対応もアリです。
「レビューによる行動の最適化」「完璧な記録」を無理に目指す必要はない
本記事では、「タスクシュート失敗事例集②〜初級編〜」として、タスクシュートの使用開始後1ヶ月頃に起こりやすい失敗事例とその対策を紹介しました。
ログが溜まってくると、それを分析してさらに行動を最適化したいと思い始めます。
また、タスクシュートに慣れてきたからこそ、行動ログが残せない時間帯や曜日やあることにも気付き始めます。
タスクシュートを使い始めて1ヶ月程度というのは、ちょうど新しいことを始めたくなる頃です。
そのため、「行動を最適化したい」「もっとちゃんと記録を残したい」と考えるのは自然なことですし、そのチャレンジも悪いことではありません。
しかし、上記のような考え方は失敗の元でもあります。特に「詳細なレビューによる行動の最適化」「完璧で詳細な記録」などを目指し始めると挫折しやすくなります。
徹底的なレビューや詳細な記録をしなくても、タスクシュートによって行動や時間の使い方を変えることは十分に可能です。
同じ効果が得られるのなら、挫折しにくい方法でタスクシュートを継続していただけたらと思います。
本記事は以上です。ありがとうございました。
【あとがき】
記事中で紹介した現在開発中の「TaskChute Cloud Lite」ですが、TaskChute Cloud開発者のjMatsuzaki氏の執筆本「先送り0(ゼロ)」(2024年2月19日発売予定)をご予約いただくと、予約特典としてTaskChute Cloud Liteの早期アクセス権が付いてきます。
また、TaskChute Cloud Lite以外にもとてもオトクな特典が付いてきます!
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