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仕事術・タスク管理

「ながら聴き」のススメ

2022年10月24日

現代人は時間がありません。

限られた時間を効率良く過ごすため、または時間を作るために複数の作業を並行する「ながら作業」をしようと考えるのは自然なことです。

ですが世の中では、「ながら作業」や「マルチタスク」は効率を下げるとして悪役扱いされています。

それでは全ての作業をシングルタスクでこなせば良いのでしょうか?そんなのいくら時間があっても足りませんよね。

全てのマルチタスクが効率を下げるわけではありません。やり方の問題です。

そしてマルチタスクの方法として真っ先にオススメしたい方法が「ながら聴き」です。

「ながら聴き」は効率を下げるのか?

ながら聴きとは、音楽やポッドキャストなどを何らかの作業をし"ながら聴く"ことです。

ですが所謂「ながら作業」は作業効率を下げるため、多くの仕事術ではシングルタスクに集中する事が推奨されます。

私も仕事などであれば、基本的には目の前のシングルタスクに集中することをおすすめします。

しかし常にシングルタスクだけに集中することが最高効率とは思いません。

「ながら作業」による時間効率向上によって得られた時間が、作業効率の低下によって失われる時間を上回っていれば良いのです。

「ながら聴き」は作業効率を下げるという研究結果は確かに複数出ています ※1, 2

ですがその作業効率の低下が問題にならない、もしくは作業効率の低下が軽微なタスクなら「ながら聴き」をしながら作業しても問題は無いわけです。

むしろ「ながら聴き」によって時間効率が向上するので、結果的には得です。

多少作業効率が下がっても、それ以上に時間効率が上がるならそれで良いのです。

ながら聴きに向くタスク・不向きなタスク

ながら聴きに向くタスクとは、ながら聴きによる作業効率の低下が軽微、もしくは問題にならないタスクのことです。

以下のような条件を満たすタスクがおすすめです。

  • 考え事をしながらでも実施できる
  • 何らかの失敗が生じても大きな損失を生じない、もしくは失敗という状態が存在しない
  • 多少効率が低下しても合計作業時間が大きく延びない

例えば皿洗いや掃除、洗濯物の処理などのちょっとした家事や、屋内での負荷の軽い運動、入浴などが該当します。

無意識にこなせるようなタスクは最適です。家事に慣れている方なら無意識に洗い物や掃除をこなせるでしょうし、入浴も体を洗う順番など流れがルーチン化されている方も多いでしょう。

そして多少集中力が落ちたとしても、例えば掃除を失敗するというような状況は考えにくいですし、かかる時間が何倍にも伸びたりはしないでしょう。

結果的にながら聴きで得られる時間の方が長いはずです。

一方で、集中力を要するタスクや、不注意が何らかの事故につながるような状況であれば、仮に慣れていたとしてもながら聴きは避けましょう。

料理は注意が必要でしょう。不注意が怪我や火事につながってしまうのは損失が大きすぎます。
また、基本的には自宅など屋内での作業が前提です。外出先でも電車に乗っている間などなら良いと思いますが、歩行中や運転中は事故につながるのでやめましょう。例えヒアスルー機能を使ったとしても咄嗟の反応は遅れます。

ながら聴きにおすすめなコンテンツ

基本的には何でも良いと思いますが、インプットを増やしたいならポッドキャストが最適でしょう。

私の場合でしたら、毎朝皿洗いや掃除をしながら必ず佐々木正悟さんの「グッドモーニングボイス」※3を聴いています。Spotifyで配信中です。

また、インプットを増やすというような目的ではなく、単なる音楽鑑賞でも良いでしょう。

特に毎日音楽を聞きたいけど、時々何時間も聴いてしまったり、それによってやるべきことを先送りしてしまうという方は、入浴しながらの音楽鑑賞がおすすめです。

入浴だけでもストレスが解消されたり睡眠の質を上げられたりしますが、音楽鑑賞も含めることで、時間効率を高めながらさらなるストレス解消や毎日の充足感の向上が得られます。

なお、純粋な勉強を目的としたコンテンツは、ながら聴きによるインプットには不向きと思います。

ニュース等による情報収集程度なら良いと思いますが、例えば英語の習得はながら聴きには全く向きません。

そもそも勉強というのは基本的にながら作業には不向きです。

勉強はインプット中心のタスクと思われがちですが、実際にはインプットと同時に頭の中で様々なアウトプットが発生しています。

そのアウトプットが記憶の定着や思考回路の構築、スキルの習得などにつながる訳ですが、ながら聴きの状態では、このアウトプットとして得られる勉強の"成果"にノイズが混じるように感じるのです。

勉強が嫌いな方ほど流し聴きによるインプットや、音楽を聴きながらの勉強をしたりしますが、個人的にはむしろ嫌いだからこそ、短時間で最大の成果を得られるようにすべきと思います。

ながら聴きにおすすめのイヤホン

ながら聴き用のイヤホンを選ぶ際に重視すべきポイントとして、例えば以下のようなものがあるでしょう。

  1. とにかく良い音で聴きたい!→音質
  2. お風呂で使う→防水性
  3. 周囲の音や作業音に邪魔されたくない→ノイズキャンセリング機能

なお、ながら聴きに使うなら間違いなく完全ワイヤレスイヤホンがおすすめです。

私は高音質&ノイズキャンセリング搭載の自宅作業用イヤホンと、防水性重視のお風呂用イヤホンの二刀流スタイルです。めっちゃQOL上がるのでオススメです。

具体的なオススメのイヤホンは別記事で紹介します。

ながら聴きで人生を豊かにしよう

ながら聴きは作業効率を下げると言われることもありますが、ながら聴き状態でも効率低下のデメリットを受けないようにすれば良いのです。

そうすれば時間効率は確実に向上します。

ながら聴きによって1日に得られる時間は決して多くはないかもしれません。

しかし毎日蓄積すれば莫大な差になります。

その莫大な時間は、きっと人生を豊かにしてくれるでしょう。

本記事は以上です。ありがとうございました。

以下注釈
※1 東北大学 2022年 | プレスリリース・研究成果 聴き"ながら"の作業は作業効率を低下させる可能性! ‐ 音楽刺激は低音量でも聴覚性選択的注意を阻害する (https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/01/press20220114-02-bgm.html)
論文を読みましたが、本記事で取り上げるような「ながら聴きに向くタスク」であれば影響は殆ど無いでしょう。


※2 lifehacker マルチタスクは作業効率だけでなくIQも低下させる:実験結果 (https://www.lifehacker.jp/article/150225_multitasking/)
マルチタスク関連の記事で良く引用されているので。元になった論文を見ましたが、※1と同じく本記事で取り上げる「ながら聴きに向くタスク」であれば影響は殆ど無いでしょう。一方で、「不向きなタスク」をながら聴き状態で行うことの危険性は強調される結果と言えます。


※3佐々木正悟さんの「グッドモーニングボイス」は、タスクシュートユーザーであればハッとさせられたり深く頷きたくなるような知見に満ち溢れています。しかもそれが一見全く関係なさそうな話題から湧き上がってくるあたり流石だと思います。刺さる人には刺さる、そんな不思議な魅力に満ちています。

  • この記事を書いた人

Kei

タスク管理やライフハックが好きな研究者|医学博士|株式会社CxO|タスクシュート認定トレーナー|主な発信内容はタスクシュートと研究です。

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