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仕事術・タスク管理

私にとって「タスクシュート」とは何か

2023年7月10日

こんにちは、Keiです。

2023年6月よりタスクシュート認定トレーナーになりました。今後もタスクシュートの素晴らしさを発信していこうと思います!

さて、これまでもタスクシュートが与えてくれる素敵な効果については多数の記事にて語ってきました。

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しかし、私がタスクシュートを実践する理由、言い換えれば、私にとってのタスクシュートの役割については記事にしたことはありませんでした。

本記事では、私にとってタスクシュートとは何か、お伝えすることにします。

私にとってタスクシュートとは

私にとってタスクシュートとは、現実の自分を映す鏡であり、意識を現実につなぎとめる錨 (いかり) である、と言えます。

タスクシュートがこの2つの役割を果たしてくれたことで、先送りがなくなり、目の前のタスクに集中できるようになり、作業の効率が上がり、時間がないという状況から開放されたのです。

この2つの役割について、もう少し詳しく説明します。

タスクシュートとは本当の自分を映す鏡である

私にとってタスクシュートとは、本当の自分を映す鏡としての役割を持ちます。

例えばタスク管理の文脈であれば、タスクシュートは自分の現実の行動をログとして映し出してくれます。
簡単なタスクだと思っていたのに想定よりもずっと長い時間がかかってしまった、といった経験をしたことは誰でもあるでしょう。

想像でタスク実行にかかる時間を見積もってみると、長めに時間を取っていたつもりでも、実際には全く時間が足りないといったことが頻発するものです。

しかし行動ログを残しておけば、次に同じタスクを実行するとき「前回は○時間がかかったから今回はさらに長めに時間を取っておこう」といった対策ができます。これは、想像や曖昧な記憶ではない現実の自分の行動ログが残っているからできることです。

このように、タスクシュートは本当の自分の行動を移す鏡としての役割を持ちます。

しかし私にとって本当に大切なのは、ログを使って振り返りができること、ではありませんでした。

理想の自分ではない現実の「すごい」自分を映し出す

タスクシュートは、理想の自分とは違う現実の自分を映し出し、ユーザーに示してくれます。

これは「理想とは異なる現実の自分を受け入れる」といった諦めのニュアンスを含んだ意味ではありません。

逆です。

現実の自分は理想の自分よりも実はずっと凄いということに気付かせてくれるのです。

私のような減点法で自分を評価するタイプの人間は、理想通りに行動できない現実の自分を悪とみなします。

特に私の場合は、自分でやるべきと考える理想のタスクリストを作成し、その理想のタスクリストを実行できたかどうかで自分を評価していました。

問題だったのは、私の評価基準が”理想通りにタスクを実行できたかどうか”だけであったことです。その理想が本当に正しいかなんて疑う余地すらありませんでした。絶対的な理想を実現できたかどうかだけが評価基準でした。

仮に良いことがあったり、自分が良い働きをしていたならば、プラスの評価点は与えました。ですが理想のタスクリストを完遂できていなければ絶対に100点満点とは認めませんでした。

そして100点ではない自分を責めていました。例え90点や95点でも自分で自分を認めることは決してなく、「今日も何も出来なかった」と自分に絶望していました。

しかしタスクシュートを使い始めて何年か経ったとき、ログを見ていて気付いたのです。「駄目だと思ってたけど、意外とできてるな」「思ったより凄いな」と。

自分の中の評価者としての私が、初めて私を認めてくれた瞬間でした。

もっと言えば、現実の自分が理想の自分を超えた瞬間でした。

タスクシュートは、私の中の評価者としての自分に、理想を超える現実の自分の凄さを示してくれたのです。

これは他者の言葉や、他のツールでは駄目でした。

たとえ他者から褒められても、自己評価が低い私には響きませんでした。せいぜいその日の評価が上がるだけで終わりでした。「そんなに気にする必要ないよ」と言われても無理なんです。

また、タスクリストの管理ツールやチェックリストを使っても、そのリストを完遂できたかどうか以外に意識が向かず、本当は自分がどれだけできていたかなんて気付くことはできませんでした。

さらに、他のライフログツールでも駄目でした。ただのライフログではそもそも評価対象にならないのです。

評価者がタスクという文脈で自分を評価している以上、タスクの実行ログと言う形で現実の自分の凄さを示す必要がありました。

タスクシュートだったからこそ、現実の自分が理想を超えていることに気付き、自分を自分で認められるようになりました。

現実の自分を認められるから行動できるようになる

現実の自分を認められるようになると、自分の行動に疑問を持たなくなります。

これまでは自分を信用していませんでしたので、成果が出るまで努力し続けるといったことができませんでした。

特に勉強などすぐに成果がでないことに対しては、「このまま続けていて大丈夫なのか」「もっと良い方法があるのではないか」「もっと長時間やらなきゃ駄目だ」と自分の行動を認められず、継続することができませんでした。

当然、すぐに立ち止まって別の(正しいかもわからない)メソッドを調べだしたり、不安になって歩みを止めたりを繰り返すのですから、いつまで経っても成果なんて出ませんでした。

現実の自分を認められるようになってからは、成果が出るまで自分を信じて作業を継続できるようになりました。時間の使い方にも自由になりました。おかげで、以前の私ならできなかったことをたくさん達成できたと思っています。

結局のところ、私にとってタスクシュートとは、タスク管理によって作業効率を上げたり、記録によって習慣の継続をサポートすることがメインのツールではありませんでした。

想像だけで責めてくる評価者としての自分に現実の自分の凄さを提示し、理想を超えた現実の自分を認めさせることで、結果的に迷いが無くなり、脱線が減って作業効率があがり、習慣を継続できる状態に自分を変えてくれる、そんなツールでした。

タスクシュートとは意識を現実につなぎとめる錨 (いかり) である

私にとってタスクシュートのもう一つの役割とは、意識を現実につなぎとめる錨 (いかり) であると言えます。

錨 (いかり) とは、船が流されないように海底や川底と船をつなぎとめるものです。

見えない潮の流れに乗って気付いたら大海原に流されていたかのように、注意していないと、意識は頻繁に過去や未来、または空想の世界に流されていきます。

そんな気付いたらどこかに行ってしまう意識を、タスクシュートは目の前の現実につなぎとめてくれるのです。

意識が現実に向いていないから行動できなくなる

先送りをし続けているときやタスクに着手できないとき、作業の手が止まったり作業から脱線して戻ってこれないとき、他人の目や反応が気になって不安なとき…

そんなときは大抵、意識が目の前の現実には向いていません。過去や未来、または空想の世界に飛んでいっています。

淡々と目の前のタスクを実行すれば良いのです。それだけで勝手に成果はついてきます。

それなのに、私達はすぐに現実から意識をそらし、空想の世界を広げていきます。

まだ着手していない、これから着手するはずのタスクを”面倒臭いタスク”、”重いタスク”と勝手に予想してタスクを先送りしたりします。

作業中に「これが上手くいかなかったらどうしよう」と未来を不安視して(ときには、「これが上手くいったらどうしよう」と物思いにふけって)作業を中断したりします。

勝手に他人が自分に目を向けていると空想して延年と脳内シュミレーションや脳内反省会を繰り広げたり、他人の空想の人格を作り上げ、現実の他人にそれを適用したりします(当然、空想通りの反応を現実は返してこないので、振る舞いに失敗することになります。そして余計に他人の目を気にするようになる)。

こういったことをしているうちは、作業なんて手に付きません。言い換えれば、上記のような状態を減らすだけで、先送りが減り、脱線が減り、作業に集中できるようになり、不安が軽減します。そして作業効率が上がり、時間を有効に使えるようになります。

そのためには、意識を現実に引き戻す必要があります。

現実の自分がいま何をしているのか意識する

しばしば仕事術やライフハックとして、マインドフルネスや瞑想によって集中力を上げるといったメソッドが語られます。

いわゆるマインドフルネス呼吸法では、自分の呼吸や体感覚に意識を向けます。

これはつまり、過去や未来、空想の世界に向いている意識を、今の現実の自分に引き戻しているのと同じことをしています。

そしてタスクシュートの実践はマインドフルネス呼吸法と同様に、意識を現実の自分に向ける効果を持ちます。

今から実行するタスクをタスクリストに登録して実行し、終わったらログの記録を停止する。このタスクシュートの基本操作によって、現実の自分がいま何をしているのか意識させられます。

よって、タスクシュートを使い続けているだけで、まるで現実に錨を下ろしてあるかのように、意識が現実から流されていくのを防ぐことができます。そしてもし意識が流されていても、タスクシュートを実践することで意識を現実に引き戻すことができます。

また視点を変えてみると、意識が現実に向いていないときは、大抵タスクシュートのログを取れていません。調子が悪いとタスクシュートの記録を残せない、と感じる人が多いのはそれが理由です。

だからこそ、調子が悪いときでもタスクシュートの記録だけは残すことを推奨するのです。記録を残すという行為によって調子が悪い状態を脱することができるからです。

※ちなみに、調子が悪い時でも記録を残す理由について「後で記録を活かして対策できるから」という方は多いです。しかし個人的には、記録を残すという行為そのものによって調子が悪い状態を脱することが目的であり、無理に記録を活かそうとまではしなくていいと思っています。調子が悪い時に「後で活かそう」という前向きな理由で記録を残すのってかなり大変なことですから。

なお、この”現実に意識を向ける効果”は、他のチェックリストツールやログツールでも断片的には得られるかもしれませんが、タスクシュートの優れた点はタスクの開始と終わりをそれぞれ記録するところです。

タスク終了後にチェックするだけのチェックリストよりも、タスク開始時と終了時に記録を残すタスクシュートのほうが自分の状況を意識する機会を多く設けられるので、より現実の自分に意識を向けることができます。

今後、技術が発展して自動でタスクの実行ログが残るようになってしまったら、かえってこの効果は無くなってしまうのではないかと考えています。

タスクシュートは単なるタスク管理ツールにあらず

本記事では、私にとってタスクシュートとは、現実の自分を映す鏡であり、意識を現実につなぎとめる錨 (いかり) である、ということをお伝えしました。

「タスク」と名前がついているツールにもかかわらず、タスクシュートが私に与えてくれた恩恵は、明らかにタスク管理の範疇ではありませんでした。

特に、現実の自分が理想の自分を超えていることに気付かせてくれる効果、これは様々な鬱屈とした悩みから人を解放してくれます。そして自由に時間を使えるようになります。私はこの効果を体験して欲しいという理由だけでタスクシュートをオススメしているといっても過言では無いと思います。

この状態に至れるツールはなかなか無いと思います。多数の機能を含んだ包括的なタスク管理ツールを使い続けていれば似た効果を得られる可能性はあるかもしれませんが、そういったツールは使い続けるのが難しく、挫折しやすいです。

タスクシュートは続けやすいからこそ、タスクにまつわる先送りや自己嫌悪が絡む鬱屈とした悩みについて、確実に解決まで導いてくれる一つの方法になると思っています。

本記事は以上です。ありがとうございました。

  • この記事を書いた人

Kei

タスク管理やライフハックが好きな研究者|医学博士|株式会社CxO|タスクシュート認定トレーナー|主な発信内容はタスクシュートと研究です。

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